法形(ほうけい)」とは、空手でいう「形」にあたるもので、決められた筋の中で躰道を表現します。「かたにはまる」のではなく、選手ごとに表現の仕方を工夫していく競技であることから、「形」ではなく「法形」と呼ばれています。
技の強さや正確さ、動きの美しさだけではなく、創造性や対峙している仮想の敵がより強くみえることも評価の要素の一つとされています。
旋の法形
体軸をコマのように回転させることで、急所である体の前面を守りながら、回転の勢いを技に乗せて攻撃します。
旋体
旋体突きを主体に攻撃していきます。林を吹き抜く風のように素早く旋回を繰り返しながら敵を追い詰めていく法形です。一年生男子がはじめに取り組みます。
旋陰
旋陰の貫手を主体に攻撃していきます。流れるように滑らかな旋回の動きの中で繰り出される強い突きが見どころです。1年生女子がはじめに取り組みます。
運の法形
体軸を立てたまま、ジャンプなど上下の動きで相手の攻撃から身を守りつつ、技に勢いを加えて攻撃をします。
運体
蹴り突きや2段蹴りを主体に攻撃していきます。体軸を上下前後に動かす勢いを乗せることで、波のように激しく威力のある技を出していきます。
運陰
蹴り突きや貫手を主体に攻撃していきます。前への勢いをそのまま蹴りや突きに乗せること生まれる、荒波が岩を砕くような力強さが特徴です。
変の法形
体軸を勢いよく倒すことで、相手の攻撃を躱(かわ)しつつ、その勢いを利用して技を繰り出し攻撃します。
変体
海老蹴りや斜状蹴りを主体に攻撃していきます。力強い蹴りや、旋・運・変・捻と操体を変えながら次々と技を繰り出し敵を追い詰めていくところが魅力的な法形です。
変陰
海老蹴りや貫手を主体に攻撃していきます。左右どちらからもくる敵に隙を見せることなく素早く攻撃していく、鋭く繊細な法形です。
捻の法形
体軸を渦のように捻る動作を利用して攻撃を繰り出したり、相手を絡み倒します。
捻体(右)
足絡みや半月当てを主体に攻撃していきます。想定している敵の動き方によって「静と動」や「緩急」などの表現が選手ごとに大きく違うのが特徴です。
捻陰(左)
半月当てや足絡みを主体に攻撃していきます。渦のように体を捻り、素早く相手を絡み倒す表現が見所です。
転の法形
前転・側転・バク転・バク宙などにより体軸を縦方向に回転させることで、急所を隠しつつ、さらにその勢いを乗せて攻撃します。
転体
前転突きや振り突き主体に攻撃していきます。側転(側宙)やバク宙(捻宙)などの転技がふんだんに用いられているため、とてもアクロバティックで力強い法形です。
転陰
前転貫手や斜前転半月を主体に攻撃していきます。側転やバク転などの、しなやかでダイナミックな転技や、転の操体の勢いが乗った強い技が魅力的な法形です。